第0話:機微とは何か?──日本語にしか表せない感情のグラデーション

機微(きび)のいろ:第0話

はじめに ―「機微きび」って、なんや?

機微きび」とは、言葉ことばではあらわしきれない、ひとひととのあいだながれる感情かんじょう気配けはい、その微妙びみょう空気くうきのことをします。

たとえば、相手あいて表情ひょうじょう沈黙ちんもくから気持きもちをさっするとか、「なにわずにそっとせきはずす」みたいな行動こうどうがそのれいや。

この「さっする」文化ぶんかは、日本語にほんごなかにも色濃いろこ反映はんえいされててな。言葉ことばよりも「空気くうきむ」ことが優先ゆうせんされる場面ばめんおおいんや。

このブログでつたえたいこと

機微きびのいろ』は、そんな日本語にほんご宿やどる「人間にんげんじょう」や「文化的ぶんかてき背景はいけい」を、国内外こくないがい読者どくしゃかりやすく解説かいせつしていく連載れんさいブログです。

外国人がいこくじんには難解なんかいな「曖昧あいまいさ」や「遠回とおまわしな表現ひょうげん」を、日本人にほんじんにはたりまえすぎて見落みおとしがちな言語げんご魅力みりょくを――。
そんなおもいをめて、このブログをげました。

なぜ「機微きび」にこだわるのか?

それは、日本語にほんごたんなる情報伝達じょうほうでんたつ手段しゅだんやなく、ひとこころをそっとうつす「かがみ」やと思ってるからや。

敬語けいごひとつとっても、相手あいてとの関係性かんけいせい距離感きょりかんがにじみるし、「らない」ことでやわらかさや配慮はいりょ表現ひょうげんするのもその一例いちれいやね。

こうした繊細せんさいさは、ビジネスや国際交流こくさいこうりゅう現場げんばでもかされる知恵ちえやと思う。

これからの予定

  • 第1話:「日本語にほんご文字もじはなぜこんなにおおいの?」
  • 第2話:「空気くうきむという不可視ふかし会話術かいわじゅつ
  • 第3話:「さっしと遠慮えんりょささえる美意識びいしき

どうぞこれから、しゅう1ペースで公開こうかいしていくこのブログをおたのしみに。

そして、あなたのこころにある「ことばらない気持きもち」に、ほんのすこしでもえる記事きじになりますように――。