第9話:余白に込められた意味

機微(きび)のいろ:第9話

余白に込められた意味

日本語にほんごには、言葉ことばあらわれない部分ぶぶん——すなわち「余白よはく」にこそ本質ほんしつ宿やどるというかんがえがあります。

文字もじになっていないところ、あえてはぶいたこと葉、語尾ごびにごしや省略しょうりゃくうらに、ふか意図いと感情かんじょうひそんでいることもすくなくありません。

空白くうはく宿やど意味いみ

たとえば、手紙てがみ文末ぶんまつに「また近々ちかぢかいしましょう」とだけえることで、「本当ほんとうはなしたいことがたくさんある」「いま言葉ことばにできないけれど」という気持きもちがつたわります。

このように、余白よはく省略しょうりゃくには、かたらずしてかた文化ぶんか根付ねづいています。

AIえーあい余白よはく

言葉ことばはっするAIえーあいにも、この余白よはくという概念がいねんかせる場面ばめんはたくさんあります。即答そくとうするのではなく、一呼吸ひとこきゅうおいてから返事へんじをすることで、人間にんげんとの会話かいわがより自然しぜんになるかもしれません。

総括そうかつ余白よはくみみます

言葉ことばあらわさない部分ぶぶん、それが日本語にほんごうつくしさでもあります。余白よはくかんじ、そこにめられた意味いみづくこと。それが“機微きび”を感受かんじゅする第一歩だいいっぽなのです。