第10話:“いただきます”と“ごちそうさま”に込められた意味:食事に宿る感謝の心

機微(きび)のいろ:第10話

日常にちじょうなか宿やど感謝かんしゃ

日本にほんでは、食事しょくじまえに「いただきます」とい、あとに「ごちそうさま」といます。この言葉ことばには、ただの挨拶あいさつではなく、ふか意味いみ感謝かんしゃ気持きもちがめられています。

いただきます”の背景はいけい

いただきます」には、「いのちをいただく」という意味いみふくまれています。動物どうぶつ植物しょくぶついのち自分じぶんからだんできる、という認識にんしきがこの言葉ことばにはあります。

ごちそうさま”の真意しんい

ごちそうさま」は、「馳走ちそう」という言葉ことば語源ごげんです。これは、食事しょくじ用意よういするためにはしまわる、という意味いみちます。つまり、「ごちそうさま」には、「手間てましまず料理りょうりしてくれてありがとう」という気持きもちがめられています。

こと葉のうらにある哲学てつがく

日々ひび生活せいかつのなかで何気なにげなくはっしているこのふたつの言葉ことばは、日本人にほんじん精神せいしんそのものをうつしているともえるでしょう。相手あいてへの敬意けいい感謝かんしゃ表現ひょうげんするという文化ぶんかが、何気なにげない挨拶あいさつのなかにきているのです。

総括そうかついのち手間てまへの感謝かんしゃ

いただきます」と「ごちそうさま」は、日常にちじょうざした言葉ことばでありながら、いのち労力ろうりょくへの敬意けいい感謝かんしゃあらわうつくしい文化ぶんかです。その精神せいしんわすれずに、これからもいでいきたいものです。